
01. INTELLIGENCE IS NOT A MODEL
知能とは、モデルではなく改善ループである。
Zenは、ロボットが現場の手作業タスクを理解し、実行するための知能と、それを継続的に育てるモデル・データ基盤の総称です。現在のロボット研究では、VLA(Vision-Language-Action Model)やWorld Action Modelをはじめ、新しいアーキテクチャが次々に登場しています。しかし、モデルの構造やハイパーパラメータは数カ月単位で更新され、論文やオープンソースを通じて広く共有されていきます。私たちは、特定のモデルを保有すること自体を競争優位とは考えていません。重要なのは、ロボットを実世界へ展開し、稼働から得られたデータを学習可能な資産へ変換し、実機で評価しながら改善を繰り返せることです。Zenの中核にあるのは、モデルそのものではなく、実世界に接続された改善ループです。
TL;DR // EXECUTIVE SUMMARY
01 - Zenは、ロボットが手作業タスクを解くための知能と学習基盤です。
02 - 現在は、VLA、スキル方策、ステートマシンを組み合わせ、長い手順を複数のサブタスクに分けて実行します。
03 - 将来は、VLAによる高レベルの計画と、World Action Modelによる精密な身体制御を階層的に統合します。
04 - 実機、シミュレーション、人由来の作業データを、共通のデータ基盤で学習可能な形式へ変換します。
05 - Zenの競争優位は、特定のモデルではなく、実世界での改善を生み出す速度にあります。
02. FROM INSTRUCTIONS TO ACTIONS
言葉による指示を、身体の動作へ。
「採血の準備をして」— 人にとって短い一言でも、ロボットが実行するには、複数の判断と動作が必要です。Zenは、抽象的な指示を具体的なサブタスクへ分解し、それぞれに適した方策を呼び出します。
TASK DECOMPOSITION PATHWAY

高レベルでは、タスク全体をステートマシンによって分解・直列化します。タスクの言語理解や、対象物・位置が変わった場合の汎化はVLAが担い、接触を伴う精密な動作は、Transformerベースの模倣学習によって獲得したスキル方策が担います。
03. PROVEN IN THE REAL WORLD
最初から、実世界で検証する。
筑波大学附属病院(2026年6月)における実証実験において、Zenは現実の複雑な医療業務プロセスへの適合性が証明されました。シミュレーターの中だけの知能ではなく、刻々と変化する実世界の物理環境に適応するためのシステム設計(ステートマシン、各種スキル方策、VLA、そしてこれらを統括するOmakase OSの統合)を重視しています。Zenが目指すのは、多様な現場における、再現性が高くエラー耐性の強い自律的タスク実行です。

04. VLA × WORLD ACTION MODEL
計画する知能と、動かす知能。

Zenはこれら2つのコンポーネントを階層的に統合することで、高い認知能力と高い運動能力を両立します。計画知能が指示と現場のズレを埋め、動作知能がミクロな摩擦や反力に適応します。
05. FROM RAW DATA TO ROBOT POLICY
現場の経験を、学習可能な資産へ。
PIPELINE PIPELINE RUNTIME LOGS // SUCCESS RATE: 99.8%

06. ONE TIMELINE ACROSS EVERY SENSOR
データ品質は、時刻同期から始まる。
カメラからの映像(30Hz)、ロボットアーム関節角度のセンシング(100〜500Hz)、触覚センサーからの圧力信号(100〜1000Hz)— 異なるレートのセンサーデータを同一のタイムライン上にマッピングしなければ、模倣学習や軌道予測モデルは不正確になります。Zenの基盤は、リアルタイムリングバッファと精密なハードウェア割込、PTP(Precision Time Protocol)を活用し、システム全体の時間軸誤差を1ミリ秒未満に抑える設計が施されています。
07. LEARNING ACROSS ROBOT BODIES
ロボットが変わっても、学習した能力を残す。
Zenはアームの固有構造(逆運動学)に依存しない抽象度でデータ表現を定義します。エンドエフェクタ空間 `[x, y, z, roll, pitch, yaw, gripper]` に基づく動作アラインメントを行うことで、異なる自由度、メーカー、サイズのアームボディ間で、一度学習した基本能力や共通コンセプト(例:「注ぐ」「そっと置く」などの物理的接触)を移植し合うことが可能です。
08. REAL, HUMAN, AND SIMULATED DATA
一つのデータソースだけでは、現実を覆えない。

09. DATA THAT ONLY DEPLOYED ROBOTS CAN CAPTURE
現場に配備された身体にしか、取得できないデータがある。

10. THE SELF-IMPROVEMENT LOOP
配備するほど、次の改善が速くなる。

実世界のタスク展開から得られるデータが次の学習モデルの性能をブーストし、信頼性が上がったモデルによってより高度な自動化が可能になります。なお、自律的な自己改善における暴走や意図しない動作を防ぐため、物理モデルと安全アサーションを配した安全な実験室・評価用サンドボックス等で制御された状態でのみ自己学習を進行させています。
11. THE MOAT IS THROUGHPUT
競争優位は、改善を生み出す速度にある。

最高のモデルを単一の論文から真似ることはできますが、データから評価・自動改善のシステムスループットそのものを真似ることは不可能です。Zenの競争優位は、この閉ループを最速でスケールさせるエコシステム設計にあります。
12. CURRENT STATE AND THE PATH FORWARD
実証済みの技術と、これから解く課題。

13. TOWARDS ROBOTS THAT KEEP LEARNING
現場で働き、現場から学ぶロボットへ。
ロボットを特定の課題、特定のプログラムによって固定する時代は終わります。Zenが描くのは、世界中に配備された知能が互いの経験を共有し合い、絶えず能力を拡張していく世界です。昨日解けなかったタスクが、今日の自律学習によって明日には実機で解決される。私たちはその自律化された未来への道を一歩ずつ着実に進めています。
ロボットを現場へ。
現場の経験をデータへ。
データを、次の能力へ。
